レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
る議論ではないかと思われる。
「存在の彼方へ」を読んでみる、という本来の筋からはやや外れた寄り道をしてしまうことになるが、「芸術」の持ちうる別個のリアリティーは、「懐疑論」のそれと同様レヴィナスの議論上も重要なものだろう(「芸術には意味がある」という主張は、当たり前の「現実」に対する、懐疑論並の「異議申し立て」でありうる。「芸術には意味がある」は「真理(現実)なんてない」という主張と肩を並べうるほど、一見「非現実的」な主張ではないだろうか)。ここでレヴィナスの芸術哲学を取り上げることも、論旨を大きく阻害するということはないのではないかと思われる。
さて、「実存から実存者へ」。一応タイト
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