世界の終り/透明な魚
「世界の終わり」
どうせ終わるのなら
静かに目を閉じるように
終わって欲しい
わたしは生きる為に祈りを捧げているわけではない
世界は恐怖に満ちている
わたしは唯安らかにいたいだけなのだ
カエルたちが池をはねた
手紙がとどいたようだ
ノイズが走るこの世界に
わたしはまだ希望を抱いているのか
ポストには
一枚の絵葉書が・・・
その印刷してある景色は
やはり雨模様で
「まだ上がらないよ」
と書かれてあった
その言葉が何を表現しているのか
喜びなのか悲しみなのか
わたしには良くわからない
絵葉書にぽつぽつと雨粒がふる
「僕が写っているよ」
そんな声が聞こえるよう
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