世界の終り/透明な魚
 
ようだ
世界はまだ回転しているコインの様
まだ可能性は残されているみたいで
わたしは傘についた雨水を
ほんの少し指先でつついてみて
うん、確かに世界が生まれて
そして消えた
わたしは待ち続けようと思う
やがて訪れる世界が
ガラクタのように使い物にならなくて
わたし自身が朽ち果てても
世界はわたしを再び創るかもしれない
わたしは世界の模様を識っているのだから
雨がn+1降り続く世界
わたしは瞳を伏せる
世界はわたしにはまだ眩しすぎるから
「世界の終わり」はわたしの胸の中にもある

戻る   Point(3)