現実、夢、リアリティー−「存在の彼方へ」を読んでみる8(2)/もぐもぐ
 
えていない)。しかし私は、「死」の恐怖と不安を知っている。私の感じている恐怖や不安は、「夢」から学ばれた、単なる「ファンタジー」である。実際には死はもっと安楽なものかもしれず、それ以上に恐ろしいものであるかもしれない。しかし、私は今のところ、この「夢」の中で与えられた「リアリティー」を「超越」するような経験をもっていない。そして、「夢」の中で与えられたものだからといって、この「死」の恐怖や不安を、打ち消すことも否定し尽くすこともできない。私が感じる「死」の恐怖や不安は、「ファンタジー」によるものであるにも関わらず、私にとって「現実」のものなのである)。「夢」か「現実」か、この区別を「超越」したこの
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