現実、夢、リアリティー−「存在の彼方へ」を読んでみる8(2)/もぐもぐ
 
掛かりが散らばっている。

勿論それは私たちの日常的な言葉の中にもある。

例えば、「もうお終いだ」「未来がなくなった」。絶望にかられて、私たちはこうした言葉を言う。

文字通り取れば、これらの言葉は「狂気」の沙汰である。何が終わるというのか。一体どうやれば未来が消えるなどというのか。今日は過ぎ、明日は来る。時間は永遠に止まることなく流れ続ける。これが「現実」であって、「お終い」が来ることも「未来がなくなる」ことも、決してありえないのではないか。

リアリストは言うだろう。これらは「狂気」の言葉だと。時間が「終わる」ことはありえない。「未来」は常にやってくる。これが「現実」だ、と。
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