現実、夢、リアリティー−「存在の彼方へ」を読んでみる8(2)/もぐもぐ
と。
では、「もうお終いだ」「未来がなくなった」という私たちの痛切な叫びは、完全に虚偽であって、何らの意味も持たないものなのであろうか。
そうではない、とレヴィナスは言う。このような言葉の中でこそ、証されている「現実」がある。その「現実」は、リアリストが主張するような「客観的」な「時間」とは異なる「時間」に属したものなのだ、と。
何故こういうややこしい言い方を使うかというと、それはやはり「時間」との関係で「真理」を考える哲学の伝統からである。リアリストの言うような「客観的」な事実は、全て一つの(「現実」という)「時間」と「空間」の中に位置を持つものである。「何年何月何日何時何分何
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