<SUN KILL MOON>-too/ブライアン
 
写真はそれだけではなかった。自己主張をする。被写体はカメラに取り込まれ、「他人」となる。カメラを持つ手が被写体に跡を付ける。ヴォルフガング・ティルマンスという手跡を。
 彼の写真はいつも近すぎていた。被写体と彼の距離はない。被写体は常に、ティルマンス本人となった。それは、抽象的な写真でさえもそうだった。彼は、写真に「自分」を残す。カメラを通し「他人」を「自分」へと還元しようと試みているように。だが、写真として出来上がると、そこには「自分」が「他人」としてある。奇妙な矛盾だ。

 laver氏の「月」(http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=167675&f
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