蔦狩り/伊月りさ
 
ろう
きみは
この蔦に点火すればいいのに

冬が拡大しても
生長が止まらなくて、わたしは
順調に紅葉をして、ずるずると
絡まっていて、鬱血している
きみはコートに通す腕をやめて、
抱きしめました、わたしは
きみの体温が
わからない
きみ越しにわたしはあたたかくて泣いた
水浸しの両目から
蔦は生い茂って
きみを絞殺してしまうかもしれなくて涙が
つたって
止まらない

実って、燃えるように
色づいている
ずるずるとしている
わたしを
燃やしてほしかった
大気が張りつめていく前に、その
 スパイラルハートのジッポで、その
 スパイラルハートのとおりに、
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