蔦狩り/
伊月りさ
に、きちんと
取り返しのつかない光熱
取り返しのつかない導火
取り返しのつかない煙
取り返しのつかない灰
になるまで焼いてほしかった
三十六度の炎はあたたかすぎるので
明日が映りこんでしまう
彼らが映りこんでしまう
彼らにならない方がきっといいと思った
わたしを 今更
燃やしてほしかった
わたしは 這いずり回る
共鳴する器官も止まらないので
さっさと燃やせばいいのに
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