詩とイメージ −萩原朔太郎 蛙の死−/リーフレイン
詩のわかりやすさ」とは、イメージ喚起の容易さであり、「詩の質」は喚起されたイメージの質に通じると思ってもいいのではないでしょうか。
さて、萩原朔太郎の 蛙の死 からイメージ構築の手法を見てみます。
この作品は、大雑把に3つのシーンを描き出しています。
第一のシーン:蛙の死体とこどもたち
第二のシーン:月
第三のシーン:丘の上の人
秀逸だと思われるのは、シーンの連鎖が連続するために、読者の感情の動きをキーに使っていること。
第1のシーンで、ぎくっとした読者は、月という視点のジャンプをはさんで そのぎくっとした怪しい気分をそのまま凝縮したかのような帽子の男というシーンに導か
[次のページ]
戻る 編 削 Point(21)