「運命の人」/広川 孝治
ょうか
やがてあなたの呟いた
言葉は永久に忘れない
「人を愛することなんて、所詮独りよがりでしょ。
愛しているということは、
自己を相手に投影し
自分を愛する裏返し。
私は自分を愛せない。
だから人を愛せない。
あなたもそうなんじゃないの。
人を愛せないんでしょ」
どうしてそんなに鋭いの。
僕の全てを見通すの。
あなたは覚えているのかな。
キット覚えていないでしょう。
それから10年経ちました。
お互い30越えました。
仕事帰りのある夜に。
ポストに葉書が来てました。
白いドレスに身を包み、笑顔で映るあなたの姿
隣に知らない男
結婚しま
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