「運命の人」/広川 孝治
しました
そんなことが
書いてる写真入の葉書
それを見た時に感じた
異様なまでの喪失感。
そうです、今さら言えないけれど
あなたのことが好きでした。
僕にとってあなたという人
きっと運命の人でした。
あんなに判ってくれた人は
他に出会ったことなくて
でもあなたにとってこの僕は
運命の人でなかったのです
あなたが遠く離れてしまって
手遅れになってから気付く
僕にとっての運命の人
残酷な運命はタクトを振るい
悲劇の交響曲を奏でます
僕は胸を震わせる
悲劇の曲を聴きながら
あなたをずっと想います
あなたは覚えていてくれますか
二人で一緒に飲みに行った日
僕はきっとその時から
あなたに魔法をかけられたのです
成就しない運命の恋
そんな哀しい魔法です
どうぞ幸せになってください
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