青を、青を、「青を泳ぐ。」/Rin.
 
えるわけがない。駅に着く頃には笑顔の作り方を忘れている。きっと、怖い顔。こんな顔じゃ、学校なんて行けない。そう思うたびに私はこのトイレの鏡を見た。

大丈夫、キレイだよ、誰よりも。堂々と、しなよ。

必ずそうつぶやいて、私はグロスをつけた。こうすると、少しマトモな顔になる気がした。》




 理科室に着いた。先生は当時より少しだけデコが拡張して、顔も雰囲気も丸くなって見えた、私が頭を下げると、なんだか「安心した」みたいな笑みを返してくれたから、少しくすっと肩をすくめる。



《 「私、毎日手帳で卒業までに日数を数えているんです。」
 3年生の1月になって、ようやく私
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