青を、青を、「青を泳ぐ。」/Rin.
を越えて、もう3組という水槽の中では呼吸すらままならなくなっていた。
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あのころは息継ぎに必死で、言葉なんぞを使おうとするなら、ただむせ返るだけだったから、そんな自分を表現しようなどとはとても思えなかった。思えたとしても、もう体中が青に絡めとられていて、できるはずもなかった
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同窓会の会場は理科室だ。3組の担任が理科の教師だったから、それだけの理由である。なんでも卒業式の日に埋めたタイムカプセルを開けるのが、今日のメインイベントだとか。そのようなものを埋めた事実は覚えているが、埋めたものなんてすっかり忘れていた。前日にメールで話していたミカが、C
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