青を、青を、「青を泳ぐ。」/Rin.
 
、ここ。
私が向かった窓側の、前から2番目の席。そこに、ミカがいた。ミカが。びっくりして、首を前に突き出したハトのようになっている(だろう)私の右側を、ミカは何も言わずに通過した。そこに漂う異様な空気に、本当はそのときに気付くべきだったのかも知れない。

 教室じゅうに目配せが飛ぶ。仲良しグループの、フーコからミカ、ミカからナナ、ナナからエリコ・・・まるでバレーボールの練習をする、あの円陣の真ん中にいるようだ。パスが、こない。そんな感じ。ふとそこに、女子独特のいやな匂いがした。始業のチャイムが鳴った。私が何か変わったのだろうか。髪は切ったけれど、そのくらいしか思いつかない。少しの違和感をごま
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