青を、青を、「青を泳ぐ。」/Rin.
 
あのころを、思い出すたびまた飲み込まれそうで、何度も書くことをやめたくなった。書くことどころか、
「人間やめたいよお・・・。」
なんて突発的に言い出したりして、随分周りに「ドン引き」されたものだ。それほどまでに、時を経て「表現してくれ!」と現れたものを描くことは、身を切るような作業だった。
 これまで私は「短歌は感覚で書ける。」と思っていた。適当に言葉をつなげたら、それなりの短歌になると。現にそうやって歌ってきた。しかし、作品のために自分の内面と真っ向からむき合ったとき、そこから流れてくるものがあまりに多すぎて、感覚だけでは31文字におさまらないことに、いまさらのように気付かされた。以前「え
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