青を、青を、「青を泳ぐ。」/Rin.
保健室に来るかもしれない。私はその時間はカーテンに隠れて童話を読んだ。「みにくいアヒルの子」。いつか私も、白鳥になる。一瞬でもそう考えられるこの場所が大好きだった。
「制服のリボンの両端わざと引く。さよなら誰よりキレイなワタシ」
誰よりキレイなワタシ。思い出の場所は鞍馬口駅のトイレだったのかもしれない。先生をそこまで連れて行って、写真を撮ってほしかった。いや、ミカやフーコのように、そんなことを冗談っぽく言える私だったら、また違った日々がそこにあっただろうか。
「砂時計の檻ただ待つことの怖さよ膝の下から満ちくる青を」
青、青・・・。「たしかに溺れていた」あの
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