青を、青を、「青を泳ぐ。」/Rin.
「一応3組。だから切り分けられたコマ文集なかば白紙の主張」
思い出したいようなことなんて何もなかった。でも、だから私がいる。
「本好きの名札は存在証明書。休み時間を生き抜くための」
どんなことがあっても、学校だけは休まなかった。皆勤賞が欲しかったから、ではない。休むことは、負けることだと思っていたのだ。狭い机だけが浮島だ。私は平然とした顔を装って、そこでじっと本を読み続けた。いや、字面を眺めていた。内容などはどうでもよかった。朝、適当に持ってきた本が「銭型平次捕物帖」だったりして、教室で密かにびっくりしたこともある。彼女たちに陰で観察されているようで、そ
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