青を、青を、「青を泳ぐ。」/Rin.
 
れの思い出の場所で先生に映してもらった写真。添えられた便箋には、それぞれの、そこでの思い出が綴られていた。サッカーゴールの前で撮った人、「将来ここに立ちます!」と書いた黒板を背に映っている人・・・みんな思い思いに見せ合いをしている。私は、空けた瞬間愕然とした。背景は雪一色。どこで撮ったのかさえわからない。そして、便箋は白紙だった。
「ねえ、どんな思い出?」
フーコが何の気なしに覗き込んできた。
「あ・・・」
私は答えられなかった。それをちらっと見たミカが言った。
「雪が、あまりにきれいだったんだよね。」
私のほか、唯一彼女だけが、白の理由を察したのだ。
 私は笑ってうなずいた。

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