光量/渡邉建志
 
に正対できるほどに、わたしはわたしの生を愛することができるとはどうしても思えなくて、卑怯にも後ろを向いています。でもきみをいまわたしに見せたのはたぶん神様だとおもう(わたしをきみにみせたのは神様ではないとおもうけれど)。だとすれば、きみは蜘蛛の糸なのだと思います。きみを憎みたくない。きみを大切にしたい。きみを幸せにしたい(すでにとてもしあわせそうだけど)。けどそのまえにわたしがすべきことがあって、つまりわたしひとりで幸せになれなくてはいけなくて、わたしじしんをすきにならなくてはいけなくて、そのためにわたしはいま休んでいるんだとおもう。ながいながいトンネルにいて、ひかりがないと思っていたけれど、たぶ
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