光量/渡邉建志
しまいたいと思ってしまいそうですけれどそれはあまりにも軽率で怠慢です。あの人がわたしを嫌ったときにせかいが終わったのはあの人がわたしの存在の肯定だったからです。わたしはいつもわたしの存在を否定し続けていて、あの人がはじめてわたしをまぶしくてらしてくれた、存在を、肯定してくれた、のに、憎まれてしまった、ので、また、わたしは、わたしの存在を否定して、よけいに否定して、しまったのだとおもいます。わたしはわたしだけでわたしを肯定できなければきみに正対できません。わたしはきみに正対したいのでしょうか。背を向けて死に向かいたいのでしょうか。きみはおそるべき生の源泉をもっていて、あんまりにもまぶしくて、きみに正
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