光量/渡邉建志
るはずがないと。死ぬことしか考えていない。きみは生きることしか考えていない。きみは生かすことしか考えていない。きみはみんなに愛されていて、そのことをわたしはとてもうれしい。きみはたぶん愛されてそだってきて、だからあんなにうちがわから晴れたようにわらう。はじめてきみがわらったときにその瞬間にわたしは射られた。はじめてきみをみたときだった。ものすごい光の量で射られた。あの人以来の光量だった。こんな人がまだ世の中にいるだなんて神様は残酷だと思った。わたしはもう余生をいかに過ごそうかと思っていたのに。神様はわたしに生きろといっている。明らかにそういっている。だけど、それはとてもむずかしいです。きみは生きる
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