Born To WIn [カラスパナ]/プテラノドン
 
会ったその誰よりも
僕の耳を奪う愛嬌ある口笛でジョーイは、
ドリストロイのジャストワンルックを奏でた。
僕はそれに合わせて適当にハミングしながら、
ジョーイがダニィの姿を―多分、出会ったばかりの頃、
ふざけ半分で僕等にアメリカ式のあだ名をつけてくれた
その時の彼女の笑顔を思い浮かべている間、二、三週間前に
真夜中の住宅地で見た、煙草を吸いながら犬の散歩をする
二人組みの女の娘たちの行く末を僕はずっと考えていた。
もしくは、彼女達に後部座席に置かれたアレを見せたら、
一体どんな表情をするのか考えただけで、心が弾んだ。

だから信号が青に変わっても僕は動こうとしなかったし、

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