Born To WIn [カラスパナ]/プテラノドン
ジョーイだってそう。幸せな気分。バックミラーに映るのは
無人の道路。とはいえ、足跡のかわりに
雨の跡が、雨音が、今すぐにでも。
それって悪くないけど。車を洗ったのに。
なんてよからぬことに耳を澄まし始めた僕の様子を見て、
ジョーイはカ―ステレオのボリュームを上げた。
カセットテープがハシアドキンスから、ストロークスの
?ラストナイト?に移った所だった。それで思い出したかのように
「ワース、昨日のアレ持ってきたか?」と、ジョーイは言って、
だらりとはみ出たベルトをギターに見立てながら演奏を始めた。
僕は後部座席から包装紙に包まれたそれを手渡した。
紙袋の中には馬鹿によく出来
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