Born To WIn [カラスパナ]/プテラノドン
、そいつらは気づいたって
知らぬふりしてその場を後にするけれど、
そして今、僕らの目の前にいるそいつらに至っては
罵声だけでなくペットボトルまで投げつけて
走り去った。
「ぶっ○○○やる!」
僕らは昨日の夜を再現するように
そいつらを追いつめ、追い越し、橋の上で
停めた。ジョーイが、運転席の男の胸倉を掴み
車から引きずり出し、
片手で持ち上げたのを見て僕は
スパナを持って車から降りた。
男はわめき立てていた。そいつが何を言っていたか
僕らは聞いちゃいなかった。ただ、
二人で視線を合わして笑った。
おそらくジョーイは僕を見て、
そんなに悲しい顔で笑わなくたって
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