「何故人を殺してはならないの?」−「存在の彼方へ」を読んでみる5/もぐもぐ
 
べきなのだが。以下幾つかの立場を検討してみる。

立場1(客観的な「意味」−「価値」)
「弱肉強食」の世の中で「意味がある」というのは、「役に立つ」というのとほぼ同義だろう。自分を「強者」の位置に置かせてくれる、もしくは「強者」の攻撃から逃れさせてくれる、それが「役に立つ」ものであり、それ以外のことは基本的に無価値である。
ある個人の生存に「役に立つ」ものは、類型的に同じ状況に置かれている別の個人の生存にも「役に立つ」。従ってこの場合の「役に立つ」(「意味」)は、「客観的に」測定されうるとみなされる。これにより例えば商品の等価交換が成立する。金銭によりその「意味」を「価値」として、「客観的
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