九月/おるふぇ
 
わることすらできない
祈りや願いに呼応してかどうかはわからないが
万有引力の法則に従い
枝から地面へと静かに揺れながら
悲しみの数と同じだけ
花は落つ

景色の色は変わってく
賑やかな色彩から
単調で深みのある色彩へと
人生の宗教性について
思い巡らせてみたくもなる九月
すべては調和へと向かうのだろう
それは
人を愛するには充分な
悲しみを知るということ

違いますか?
神様





先生…先生…
夢の中でひとしきりうわごとを繰り返しては
しんしんと緊密な空気感に支配された
真夜中に目が醒める
先生、あなたはまだ
あの教室に立っているの
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