言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
正しい」論理的叙述の方法を求める。或いは、「真理」を探し出すためのツールとして、「理性的」に物事を明らかにするためのツールとして、言語を捉える。また、「言論の自由」「表現の自由」として、社会的に有意な発見をし、合意を形成していくための、有力なツールとしても言語を用いる。人は長い間、言語を自分の意のままに扱える、あたかも冷たい道具のように、考えてきたのだった。しかし、果たして言語はそれだけのものだろうか。言語は本当に、冷たい道具に過ぎないものなのだろうか。そうレヴィナスは問い直す。道具には道具の手触りがあり、歴史があり、温かみがある。或いはまた、その手触りに触れた人を導き、傷つけ、感情を新たにさせる
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