言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
p26)についての節で止まっていた(「存在の彼方へ」を読んでみる2)。
<語ること>と<語られたこと>。le direとle dit。sayとsaid。極めてシンプルな表現であり、それを突然目の前に放り出された時の、困惑もそれだけ大きなものである。「戦争」(「弱肉強食」)についての議論が、一転このような言葉の領域まで唐突に転換したのだった。私はその転換についていけず、<語ること>と<語られたこと>を謎めいた言葉であると言った。そしてレヴィナスの思想が宗教思想であることから、特に<語ること>について、それは「神の前で語ること」「祈り」のことでないかと半ば当てずっぽうの推測をしてきたのであった。
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