言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
ない。
「哲学史の歩みには『あらかじめ確定された道程』は存在しない。にもかかららず、否、だからこそ、誰一人注意力を弛緩させてはならず、また、誰一人厳密さを疎かにしてはならないのだ」(p63)。
さて、これまで、「戦い」「弱肉強食」との対比の中で、「宗教」「祈り」の回復の道筋を辿る議論として、レヴィナスの試みを捉えようとしてみた(祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3、及び3(2))。だが、レヴィナスは哲学者である。その思想内容が宗教的であるからといって、その用いている哲学的諸概念の奥行きや幅を見損なうことは適当ではないだろう。本文に戻ってみよう。話は、<語ること>と<語られたこと>(p2
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