言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
 
の双方が指し示されてしまっているのは、どうもややこしいような気がしないでもない。ただ良く見ると、本文中では、レヴィナスは度々次のような表現を使っている。
「根源的な語ること、いや、『起源にさえ先立つ語ること』は、言葉に先立つ序言として、有責性の陰謀の筋立てを仕組む」(p27)
「『起源に先立つ言語としての語ること』は、語ることと語られたことが相関関係にあるような言語に一変する」(p28)
「逆に、『<語ること>という起源以前の召命』のほうが、つまりは責任そのものが主題化、観想、思考を動機付けているのである」(p29)
「『<語ること>という起源以前のもの』が、主題のうちに現出することで自分
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