言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
自分を裏切るなどということはありえるのかどうか」(p31)
単に<語ること>とだけ使われている場合と異なり、これらの部分では<語ること>に、「起源に先立つ」とか「起源以前」という形容が付されている。そしてこれは、「言葉に先立つ」とか「語ることと語られたことが相関関係にあるような言語」より前にあるという形で捉えられている。つまり、「言われる」前の<語ること>である。レヴィナスは<語ること>に、「起源に先立つ」等の形容をつけることで、先の日常用語で言えば、丁度「言いたいこと」に相当する部分のものを指しているのではないだろうか。(この「起源に先立つ」という表現は、厳密には、時間や空間の外にいる「神」の
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