恋した女は詩の中に 〜合唱曲へのご招待〜/北村 守通
そう考えると、この語り部のシャイさ、というかウブさがもの凄く伝わってきまして、単に読み手だけでしかない筈であるワタクシの左胸の中のコブシ大もドックンドックンと波形が荒れてくるわけですよ。頭の奥では雷ですよ。(注:あくまでワタクシの妄想でありますのでご注意ください。)故郷サハリンからはるばる流れ、大陸という孤独「石家荘」にたどり着いた女性、一夜限りの色恋が繰り返される歓楽街の中にあって様々な顔を持つのでしょう。そしてそのどれもが本物の彼女なのでしょうが、その本流はいったいなんなのでしょう。光が邪魔になって見えません。その光の裏側にある彼女を見つけ出さなければ、たぶん彼女の顔を正面から見据えるこ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)