祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3(2)/もぐもぐ
体を養うために他から物質を得るため、戦わざるを得ないし、戦いに勝つことによって、初めて自分の物質的生存を維持することが出来るわけである。
ただ、ホッブズも言うように、戦っているばかりでは生きていかれない。戦いあう個人は、自分の身を守るために、互いに譲歩しあって、一定の秩序を形成するわけである。ここから、
B「秩序によって初めて生は成り立つ」
といった命題が出て来うる。法やその他の社会的秩序によって、初めて個々人の安寧も保たれることになる。
ところが、いくら秩序を重視したとしても、Aの命題を否定しきれるわけではない。秩序が成立しても、戦いが消えうせるわけではない。
戦いは、秩序の中
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