祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3/もぐもぐ
りいって不利な立場である。弱肉強食というのはそれくらい深く、私たちの普通の意識に浸透している。それは「現実」なのだ、と痛切に認識されている。自然界を観察しても、強きが弱きを食らう、それは当たり前の法則だ、と私たちは普通考える。立場Bを取ることは、往々にして「非現実的」であり「不自然」である、場合によっては「無駄」である等の非難を受けることになる。
現実的であること、自然であること、有意味であること、こうした「肯定的(ポジティブ)」な要素を、立場Bは一見悉く欠いているのだ。
この不利を覆そうとするのは、どう考えてもすこぶる困難である。非現実的で、不自然で、意味のない、そんな思想に賛成しようと
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