祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3/もぐもぐ
うとする人は、まずいないわけである。
だから、立場Bに立つ思想は、まず自分の立場が、現実的で、自然なもので、意味があるものである、「肯定的(ポジティブ)」なものである、ということを、立証するところから始めなければならない。これで初めて立場Aと対等な位置に立つことができるわけだ。
レヴィナスもその作業を行おうとしているはずだ。
では、レヴィナスは、立場Bが現実的であり、自然であり、有意味であり、「肯定的(ポジティブ)」なものであることを、どのように証明しようとするのか。
ここでレヴィナスが持ち出してくる議論は「徹底的」なものである。ある程度弱肉強食を認めながら、多少は弱いものにも
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