祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3/もぐもぐ
る。経済的な「競争」についても同じである。個人が社会的に成り上がっていく、そうした「戦い」についても同じである。
・・・人間は案外かなり単純にしかものを考えることができないのかもしれない。
いずれにせよ、この「生きることは戦いである」という、究極的な抽象命題は、多くの場面で顔を出すことになることは確かである。そうであるのなら、これについて一定の立場決定をすることは避けられない。
レヴィナスは明らかに、「だからといって、弱いものを踏みにじっていいはずがない。皆が平和に共存できる世界、それが必要なんだ」という立場(立場B)に立とうとしていると思われる。
さて、しかし、立場Bははっきりい
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