祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3/もぐもぐ
では、「祈りを持たないで生きていくことができますか?」これはどうだろうか。
自分の未来に、自分の過去に、自分の現在に、家族に、友人に、恋人に、仲間に、身近な人に、遠くに居る人に、もしかすると敵にまで、生きている人に、生きていた人に、これから生まれてくる人に、幸あれ。人生に、幸あれ。そのどれ一つも全く願わずに生きていくことは出来るだろうか。
「祈り」を持たない生は、生を受け入れることが出来ず、自ら死を選んでしまう、そうした結末にもなってしまうのではないだろうか。
「生とは別の仕方で」を主張するレヴィナスの議論に、「生を否定するのなら、死ぬとでもいうのか」。そうした反論を思う
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