祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3/もぐもぐ
思うのは、容易なことである。「弱肉強食を否定するのなら、お前が代わりに死んでくれるとでも言うのか」。そうした非難の声がすぐに沸き起こって来そうなところである。(立場A)
だが、それにレヴィナスは、ささやかで、小さな、だが広がっていく波紋のような、不思議な問い返しをするのである。
「祈りをもつことなしに、あなたは生きていくことができますか?」
私はそこに、モナリザの微笑のような、何か測りがたい智慧のようなものを感じている。
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