今ここにある現実/佐々宝砂
 
なうなら、どんなに一般的でもフツーでもありきたりでもええわい。

ただ、私の趣味とゆーのは特殊ではあるね、現代詩人たちとは違う意味で。

イライラのもうひとつの原因は、「詩に作者が見えない」という、あれだ、あれ。私の詩に作者が見えないとゆーやつはね、目が見えないの。でなきゃアホなの。行間どころか文字自体が見えてないの。目医者に行きなさい目医者に。「蜘蛛」だの「鬼女紅葉」だの「クトゥルー」だのを題材に選ぶ点で、すでに、私という作者は詩のなかにいるのだ。否、むしろ、日常的な題材をとる詩を書いたとき、私はそこにいないのだ。そこにいるのは私の仮面に過ぎない。何度言えばわかるのか。わからない人には永
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