人殺しのカクテル/不可思議/wonderboy
 
う側にあることもあるのだ
死とは愛のために積極的でさえあるのだ
地下の通り街角、沈黙を裂くラブラドール
ふかす煙草空き箱、足跡は消したはずだと
はじめからこうなることはわかっていたんだ
それは後悔ですらない幸か不幸かただの過去だ
不恰好なままで訪れた行きつけのカウンター
まぶた閉じたままで運ぶ酒を流し込んだ
混んだ店の中のどんな声も音に聞こえず
濁った海の中を一人歩くような気分さ
口塞ぐ道草、今日からは一人だ
いくら飲んだって俺に文句言う奴などいないぞ
溶解して溶けて消える今日と明日の境目
壊滅的な意識辿る宙泳ぐ赤い目
儀式的一杯目 意識的二杯目
三杯目以降はどれも同
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