睨子問答 一『荒ら屋にまつろわぬものが爪の痕』/人間
やる。
「得るにするは、そを《既に知っている》のある必要。兎知らずて兎狩り出来ぬのよに。
知つている”真実”を汝か?でなくば”真実”を知る者に出会う事はあれるかの?
知つている”詩”を汝か?して、そを知らずば書けぬのが”詩”であるか?」
微笑まそしハエトリグモの見詰めるに、徐々に膨張する重点、気のせいのせい。
「グル(指導者)や聖者、優秀な学者や天才的な詩人は知っているのではないでしょうか」
無垢の生娘に似た座薬形の左手中指第一関節を右鼻穴に匿い、右掌で左臀部を温みつつ、応答する朕。
「何により”知っている”と言う汝か、また断言す彼らか?」
不敗魔が積も
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