睨子問答 一『荒ら屋にまつろわぬものが爪の痕』/人間
 
より詳細に、そして単純に言うならば”いい詩”とは何か、という事です」

発泡すがる濁酒が毛細花火、前部泉門にひよめきがひよめく咽喉の子山羊。

「よし:あし、その区別・測定・評価・判断するも又、恣意の汝ではなかと?
 そ恣意は、書物や伝聞のやる知識や経験や習慣という過去に依りはせぬ汝か?
 物の技術的はそに良き、せねば建てざらぬす、せねば発展せざらぬす。
 然して、物になきては、過去によりて真実を知るを、得らるる汝ろか?」

獰猛の子山羊の鼻息、毛羽立つ血気、眼光が座敷牢童になりて走り回る為、その首根むんづ掴む朕、
そまま石亀這う水甕に落とするに、実に仲良く遊ぶ、そ様子を見やる
[次のページ]
戻る   Point(0)