睨子問答 一『荒ら屋にまつろわぬものが爪の痕』/人間
か既に、即ち求むものそれの汝の。
文豪や学者、近親者や友人、各々が各々の言い方で発す意見、
あるいは文献や教科書や演劇や映画やスーパーのチラシや俗説、
その中より汝が満足に値すものを選ぶ恣意的動向の汝、そ類の問いではなかと?」
窓の外、長い首の退屈が群れにて高い虚栄の新芽を食むでいる、のを見る朕。
「その懸念は最もです。それらを選び、心酔した事もあります。しかし、
先ほどもお話したように、私はそれらの虚偽・欺瞞・誤謬に気付き、
うんざりしてからというもの、全てを捨ててきました。
私は琵琶朗吟師として、人間全体に触れ得るような普遍的な詩を書きたいのです。
より
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