「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
に及ぼす支配によって生じたものではなかろうか」。(p26)
この第一章は後の章で展開される議論の概要を述べているだけなので、証明等というよりは論点の提示を優先して叙述を進めているのだろう。これだけの説明では一体何を問題にしているのかははっきり言ってまるで分からないが、ここではこれ以上詳しい説明は与えられていないので仕方がない。
ただ、それ以外の部分で、幾つか気になる言葉を見出すことができる。
例えば、「出口なし」とか「幽閉」という言葉は、レヴィナスの同時代人である哲学者・文学者サルトルの戯曲のタイトル(「出口なし」「アルトナの幽閉者」)を思い起こさせる。直接的な関係は良く分からないが、実
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