「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
 
一般に或る領域の外にあること。例えば、意識から独立な存在、世界の外にあるものとしての神についていう」ということらしい。)

次の叙述は、<語ること>と<語られたこと>と題されている。

いきなり謎めいた言葉である。原文はle direと、le dit。私はフランス語はわからないのだが、辞書によると、direは英語のsayに対応する単語であるようである(するとditはsaidだろう)。そして、また唐突に次のような問いが立てられる。
「存在とは他なるものが言表されるや否や、存在は、存在とは他なるものを出口なしの宿命のうちに幽閉してしまう。だが、この出口なしの宿命は、語られたことが語ることに及
[次のページ]
戻る   Point(1)