「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
 
分解は半ば言葉遊びのようにも見えてしまうのだが、例えば日本語で何かを真剣に考える際に、漢字一文字一文字のレベルまで立ち返ってその意味を分析しなおすようなことは良く行われるところである。それに科学的な意味があるかは全く疑わしい。しかし、人を説得させるだけの力は持ちうる。そうした奇妙な言葉たちの中で、必死に答えを求める人々は思考していかざるを得ないのだろう。)
「身代わり」はどうだろうか。恐らく英語ではsubstitute、フランス語ではsubstituer、に当たる語だろう。代理、とか置き換える、といった意味の言葉である。ではなぜ、「他人に対する一者の責任」(p28)が、「他人の身代わりになること
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