「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
である。また、「この身代わりによって、他人の代わりに人質になること」こそが、「一者の条件」なのだという。
また忽然と複数の謎めいた言辞が出現してきたが、ここでもやはり同様に詳しい説明は一切与えられていない。後の本論における議論を待つしかないのだろう。ここでは辞書的に分かる語のつながりだけ見ておくことにする。
先に鉤括弧で括って「責任」という語を用いていたのは、私が勝手に導入したものであり、レヴィナスの論述中に直接にその語が用いられれていた訳ではない。しかしこのp28の引用部分における『責任』は、レヴィナス自身が使用している言葉であり、特殊な意味が与えられている可能性がある。『責任』とはre
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