「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
 
て、神であるとかその他何らかの他者のために全身全霊で尽くしていく、そうした信仰の過程において、自分の口から自分の悪を告白することほど、信仰を深める有効な方策は他にはなかったのではなかろうか。
レヴィナスが使っている<語ること>という言葉が、宗教上の、祈りや「懺悔」等のいずれかと一致するのかは不明である。しかし、少なくとも、そうした実践の総体が、宗教者にとって重要なものであることには、余り間違いはないだろう。神の名を唱え、或いは祈りの言葉を述べる。そうした<語ること>。その全てが、自分の信仰を深め、そしてそれが生活をも浄化することに繋がっていく、ひいてはそれが「内存在性の我執」をも超脱することに繋
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