「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
 
ら超越を語ろうとするレヴィナスの立場が表明されている、といった感じではないだろうか。

そしてレヴィナスは、「根源的な語ること、いや、起源にさえ先立つ語ることは、言葉に先立つ序言として、有責性の陰謀の筋立てを仕組む。この筋立ては存在より重々しく、かつ存在に先行する秩序である。」と述べる(p27)。
<語ること>、これが「有責性」、即ち「責任」(倫理)に関わるものであることが指摘されている。そしてこの責任の筋立てが、存在に先行する秩序、即ち生に優先する別の秩序、言い換えれば「超越」だというのである。ここで、唐突に引っ張り出されてきていた<語ること>が、本題の「超越」の探求に深く関わっていること
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